高橋信次先生・園頭広周先生が説かれました正法・神理を正しくお伝えいたします







蔡さんへの手紙


 懐かしき心の友との再会

 私の心はふるえ、言葉にあらわすことは出来ませんでした。

 肉体的縁生とはまったく違った心の中にある絆こそ永遠の縁生といえましょう。それは人間の永い転生の過程につくり出した国境などまったく関係なく、相互の心の中には慈愛の灯がしっかりと灯(とも)されているからです。僅かな日数であったが大昔からの親友がよみがえり、後ろ髪をひかれる思いで涙をこらえて別れました。

 いつまでもいつまでも側にいてやりたい。しかし私には使命がある。その悲しみを乗り越えなくてはならないのだ。

「私もジャブドーバーの都ケントマティーに一緒に出たかった。なぜ私たちだけが南の国を選んだのか」と涙を流して訴えていたあなたの姿を見ていた時に、

「ピパリー・ヤナーよお前の使命は重大なのだ。お前以外に南の国から大陸に法灯を灯す適任者はいないのだ。淋しいだろが夫婦手を取り合って多くの弟子たちとともに、慈悲の法灯を点ぜよ----

と言葉となって私は語っておりました。

最愛の我が弟子たちが、再び仏法の灯をかかげて目覚めている姿を見た時、私は心から神に、指導霊守護霊に感謝の祈りをするのでした。しかし私の心の中は、愛する我が弟子たちを南の島にとり残して来たような気持ちで、淋しさはぬぐい去ることは出来ませんでした。

嗚呼(ああ)せめて体に翼がついていたならば暖かく我が家に迎えてやれたものをと----。しかし「人類救済のためには私情は許されない」と心の中では守護霊の声・・・・・・。

 たとえ大洋の水に依って分断されていても、心の世界には国境はなく総て平等----。心の交流は誰もはばかることは出来ないのです。正しい思念と行為の実践に依って、失われた人々の心に、調和された安らぎのある法灯を点じて行きましょう。

四月十五、十六、十七、十八、十九日と 私の神理の放送がラジオ、テレビで放送されました。その反響も大変でありました。マスコミが大きく取り扱うようになりましたことは本当によろこばしいことだと思っております。

林さん、王さんも必ず日本に来られるよう善処してください。お待ち致しております。

 奥さん、本当にお世話をおかけしましたね。手料理、サトーキビ、忘れることは出来ません。あなたの美しい心の中が私たちの心を打ちました。心から感謝致しております。

ご主人をよろしくお願い致します。

 一九七四年四月二十八日

                                     高橋 信次

 蔡 様




GLA誌 1974年7月号 より